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「おっしゃられる」は間違った使い方?
ビジネスシーンの二重敬語や過剰敬語に要注意!
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日々何気なく使っている敬語が、実は間違っているなんてことも。母国語は意味がわかるだけに多少間違っていても通じますし、大人になると注意や訂正をしてもらう機会も少なくなり、自分で意識しないとなかなか改善できません。今回は、ビジネスシーンでよくやってしまいがちな敬語のミス、二重敬語と過剰敬語についてしっかり見直していきましょう。
「おっしゃられる」「ご覧になられる」…間違いがちな二重敬語をチェック!
まずは二重敬語の例を見ていきましょう。
そもそも敬語には、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3つの柱があります。
①尊敬語:相手を主語にすることで相手に敬意を表す
②謙譲語:自分を主語にし、自分がへりくだることで相手に敬意を表す
③丁寧語:ビジネスでの会話の基本「です」「ます」を使う
尊敬語は「お(ご)〜になる」または動詞に「(ら)れる」をつけます。
尊敬語でよく見られる二重敬語を見ていきます。
×ご覧になられる→○ご覧になる
「ご覧になられる」は「ご〜になる」と「られる」両方をつけてしまい二重になっているパターンです。
続いて別の例です。
「言う」の尊敬語は「おっしゃる」のように、尊敬語は動詞そのものの形が変わるものもあります。
×おっしゃられる→○おっしゃる
こちらはすでに形が変わって尊敬の敬語表現になっているところに「られる」がプラスされている二重敬語です。シンプルに「おっしゃる」が正解です。
丁寧に言おうとするあまり過剰になっているケースが多いので、そんなときは基本に立ち返りましょう。「お(ご)」をつけたら「れる(られる)」は使わないと覚えておきましょう。
二重敬語でありながら、日常で使われて社会的に容認されているものもあります。
例えば、
・お召し上がりになる
・お伺いする
言葉は生きもの、時代と共に移り変わっていくと言われています。
「ご説明させていただきます」はよくある過剰敬語
続いて過剰敬語の例を見ていきましょう。
「資料について、ご説明させていただきます。」
正しいようですが、「させていただく」は相手に許可を求める場合に使います。ですので、ここもシンプルに「ご説明いたします」が正解です。(謙譲語の基本は「お(ご)〜いたす/いたします」)
そのほか、間違いやすい敬語の表現として「○○さまでございますね」など、主語が相手なのに謙譲語を誤用してしまうケースがあります。
「ございます」は「です」の謙譲語です。尊敬語を使いたいので、正解は「○○さまでいらっしゃいますね」です。
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相手を思うなら、伝わりやすい会話を心がけて
敬語はややこしいようですが、実は非常にシンプル。基本に忠実になることで自信が持てるはずです。
相手を思ってこそ、丁寧に話したいと思うものですよね。そんな時は、敬語を気にするよりも、話しぶりや感じの良さ、簡潔さを意識してください。
✔︎明瞭さ
✔︎「話す」と「聴く」のバランスが取れていること
✔︎結論を先に言うこと
などが重要です。
これはメールの場合も同様です。相手が受け取りやすいようにシンプルを心がけること。改行もなく、結局何をしてほしいのかわからないメールでは相手を困惑させます。「○日までに返事がほしい」など、してほしいことを明確に、感じよくシンプルに伝える意識が大切です。
ビジネス敬語の使い方はこちらの記事もチェック!
▶︎その言葉遣い、間違っていませんか? 新生活に見直したい敬語・丁寧語の使い方
北條久美子
ライフスタイリスト。
ウェディング司会・研修講師を経て、エイベックス(株)にて教育担当に。2010年にキャリアカウンセラー・研修講師として独立。企業や大学でビジネスマナーやコミュニケーション、キャリアのセミナ―を行う。
著書に『ビジネスマナーの解剖図鑑』『社会人1年生大全』他多数。
最終更新日(2021.08.12)
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