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健康的な時間の使い方とは?名越康文先生に聞くwithコロナ時代の生き方vol.2

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# インタビュー , # ウイルス , # 健康 , # 名越康文 , # 生活習慣 ,

コロナ禍で『三密』を避けるために人と人が接する時間が少なくなっている昨今。皆さんはどんな風にひとりの時間を過ごしていますか?今回は、これまで「ひとり時間」の必要性を提唱してきた精神科医の名越康文先生に、健康的な生活のための時間の使い方についてお聞きします。

・「ひとり時間」を寂しいと感じてしまう人も多い現状をどう思われますか?

今は昔に比べて、映画やドラマを見る量が相対的に増えていませんか?Twitterを読む、インスタに画像を上げる、自分のSNSを更新する、ネット配信で映像を見る、この全てが大体一人でやることですよね。よく考えると、以前よりも大幅に一人でやらなければならないことが増えているのがわかります。寂しいという素直な気持ちは大切にしたいと思うのですが、この環境の中でこれ以上人と会うことが果たして可能なのかという気もしてくるのです。


・確かに、人に会う時間を作るためにひとりの時間を削っている傾向にある気がします。

自分の意思とは関係なくどんな人でも1日は24時間しかない。そのうち最低6時間、健康を保つためには7時間は睡眠を取ることが必要だと言われています。そうでなければ免疫の機能が低下する、とも言われているのですからこれは大切な数字です。
つまり、睡眠をおろそかにすると健康を維持できないということです。残りの時間から食事や入浴、移動などの必要と先ほど申し上げたSNSや動画などに費やす時間を引けば、ちょっと油断をしていると睡眠時間を削るしかなくなってきますよね。そしたらコロナにだってかかりやすくなりますよ。僕は難しいことを言っているつもりはないんです。あまりにも当然のことですけれど、誰にとっても1日は24時間なんですね。


この数年でも、日本人は世界で1、2を争うほど睡眠時間の短い国民だという報告もあるのです。この状況下でそれではまずいです。まだまだ新型コロナcovid19は分からないことが多いので、今後も当分自分の身体が持っている抵抗力が頼りなのです。抵抗力(免疫機能)維持のためには睡眠時間を削ってはいけません。
それでは、何を削りましょうか?ざっくりと分けると、1つはSNS、1つは映像を見ること、1つは人と会うこと。この3つのどれを減らすという三択かも知れませんね。

・健康的な生活のために、特に時間を使うべきことは何でしょうか?

一番は絶対睡眠です。ぼんやりしていると大概の人は睡眠時間を減らしてしまうので、それはこれからちょっと危険です。あとは適度な運動も免疫力を上げますから、それも必要です。それからバランスの良い食事。『ポストコロナ』ではなく『ウィズコロナ』になったわけだから、基本的な生活習慣を守ることが今後の日本人にとって絶対に今までの何倍も大切なことになってくるんですよ。
僕は「ひとりになりなさい」と言っているわけではなく、あなただったらどの時間を減らしますか?と問いかけたいのです。


・ただひとりで過ごすだけではなく、健康のために時間を使うのが大切なんですね。

なぜ『ステイホーム』で家にひとりでいたのかを考えてみてください。それは、ウイルスの感染を防ぐためでしょう?密集を避けて、飛沫を避けることが目的であって、ステイホーム自体が目的ではないと思うのです。ですからステイホームはいくつかある選択肢のうちの一つです。家にいてもストレスを溜めるような不健康な生活に陥るとしたらそれは意味が無くなってしまいます。

感染を防ぐためには、ただ家にいるだけじゃなくて、より良く家にいる方法がある。つまり「健康を維持しながら家にいる」という方法です。もちろん「健康を増進しながら家にいる」でもいいです。密集と飛沫を避ければ外に出ても良いのだから、人のいない公園でストレッチをしたり、混んでいない道を安全にジョギングしたりもできますね。今はステイホームから『健康を維持する生活』に考え方をシフトしていく時期だと思います。

名越康文(なこし・やすふみ)
1960年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、高野山大学客員教授。近畿大学医学部卒業後、現・大阪精神医療センターにて精神科救急病棟の設立、責任者を経て、99年に退職。現在はテレビやラジオでコメンテーターなど、さまざまな分野で活躍中。著書に「SOLO TIME~ひとりぼっちこそが最強の生存戦略である~」(夜間飛行)など。動画サイト「名越康文TV シークレットトーク」も好評。

Photo:NATSUKI
Text&Edit:Maiko Mizusawa

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