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頼まれたら断りにくい……角を立てずスマートに断るための言葉の選び方って?
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必要な場所に応じて的確な言葉を選べることがデキるビジネスパーソンの第一歩。でも、普段何気なく使っている言葉遣いが正しいか、ふと心配になることも多いですよね。そんな悩めるビジネスパーソンのために、国語講師の吉田裕子さんが、場面に合わせた適切な言葉遣いをレクチャー。
今回は断りにくい依頼をスマートに断る方法を教えてもらいます。
【質問】断りにくい仕事の依頼、どう断れば角が立ちませんか?
顧客から新しい依頼があったのですが、スケジュールが厳しいため、今回に関してはお断りしようと思っています。長年の付き合いで、これからも良好にやっていきたい相手なので、何と切り出していいか、悩んでいます。
【回答】〈義理〉と〈人情〉を組み合わせましょう
お世話になっている相手ほど、断るのは気まずいものです。何と言っていいか悩んでいるうちに時間が過ぎてしまうことも……。
ただ、先方からすれば、返事をいつまでも引き延ばされるほうが困ります。早めに断ってこそ、相手は、他に声をかけるなど、次の動きに移ることができます。
さて、「今回の話は断るにしても、いい関係を保ちたい」という場合の基本スタンスは、〈義理人情〉です。
一まとまりで使われがちですが、実は、
〈義理〉世の道理、理屈
〈人情〉人の心の動き、感情
という二種類のものが合わさっています。
相手を怒らせたり傷付けたりせずに断るには、
①なぜ参加・協力できないのかという理屈〈義理〉
②個人的には残念だという気持ち〈人情〉
の両方を必ず入れるようにしましょう。
「いま弊社の決算月で少々慌ただしく、新たな案件はお受けできない状況なんです〈義理〉。
○○さんの頼みなら、ぜひお力になりたいのですが……〈人情〉」という感じです。
断り文句に便利な「あ・や・せ」
〈義理人情〉で断るとき、便利なのが次の言葉です。
〈あ〉あいにく
〈や〉やまやま
〈せ〉せっかく
頭文字で〈あ・や・せ〉と覚えましょう。
「あいにくその日は先約がありまして」
「せっかくお声がけいただきましたので、お手伝いしたいのはやまやまなのですが」
と無念さをにじませることができます。
なお、「できません」「無理です」ときっぱり言うと、必要以上に拒絶する雰囲気になるので、「難しいかと存じます」など言い方を工夫しましょう。
「直近は立て込んでおりまして」というように、別の時期であれば手伝えた、という含みを持たせることも必要です。
「そこを何とか!」と食い下がられたときには、
「安請け合いをしては、かえってご迷惑をおかけすることになります」
「直前にお断りすることになると、むしろ悪いので……」などと説明しましょう。
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吉田先生が教える言葉遣いのコツはこちらもCHECK!
▶︎上司相手に「ご苦労様」はNG!?目上の人に使ってはいけない言葉って?
▶︎「了解です」は失礼ってホント?目上の人にはどう答えるのが正解?
▶︎「役不足」「割愛する」……その使い方、間違っているかも?
吉田裕子(よしだ・ゆうこ)
大学受験塾の国語講師。カルチャースクールや企業研修にも登壇し、日本語や文章術について指導している。著書に『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)、『10分読書』(集英社)などがある。東京大学教養学部卒業。
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