Workstyle
「了解です」は失礼って本当?
目上の人への正しい敬語。
UNISEX
ビジネスシーンにおける会話の中で、ふと自分の言葉遣いが正しいのか心配になることも多いのではないでしょうか?そんな悩めるビジネスパーソンのために、国語講師の吉田裕子さんから、知っておきたい正しい敬語の使い方を教えてもらいます! 今回は、会話でもメールでも頻出する「了解です」について解説します。
【質問】目上の人に「了解です」は失礼?
上司からの仕事の指示に「了解です」と返したところ、「その言い方は失礼に聞こえるからやめた方がいい」と指摘されました。
どう返すのが正解だったのでしょうか?
【回答】失礼ではないけれど、より丁寧なニュアンスに
「了解です」は、「です」と丁寧語も付いていますから、敬語として完全に間違っている使い方というわけではないのです。ただ、少し軽い印象を与えるというのは否定できません。「了解」のニュアンスとして、目上の人が、下からの報告などを受けて「了解」と返すイメージも強くあります。
そこで、「了解」の語を使って返すのであれば、
「了解いたしました」
とするのがオススメです。丁寧語に加えて、謙譲語の「いたす」も組み合わせることで、あらたまった印象が生まれます。この「〜いたしました」という言い回しは万能で、
他にも、
「確認いたしました」
「受領いたしました」
のように、幅広く言い換えて使用することができます。
Adobestock.com
他には、謹んで相手の指示・命令を受けることをいう「かしこまりました」や、謙譲語の「承る」(お聞きする・お受けする)を用いた「承りました」というのも、了承したことを伝える際の適切な言い方です。
「拝命いたしました」という言い方もありますが、これはかなりあらたまった表現のため、役職に任命されたときのスピーチなどでしか使いません。
「承る」の字を含んだ「承知」も、謙譲語の要素を持ち、「目上の人の命令などを承る」という意味を持ちます。そのため、「了解しました」よりも「承知しました」の方が、あらたまった印象を与えるので、よく使われています。
ただ、現在では「承知」の「承」の謙譲語の要素は無視して使われる例も多く、
「ご承知のとおり」
「すでにご承知かとは存じますが」
のように、目上の相手が知っていることを言うときにも使われています。
吉田裕子(よしだ・ゆうこ)
大学受験塾の国語講師。カルチャースクールや企業研修にも登壇し、日本語や文章術について指導している。著書に『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)、『10分読書』(集英社)などがある。東京大学教養学部卒業。
最終更新日(2021.08.07)
Related
あわせて読みたいおすすめ情報
Pickup
あなたにおすすめの記事をピックアップ
Popular
人気の記事ランキング
Coordination
GoodStyle健やかおしゃれコーデ